第007回 日本の文化の地域的特色
		ポイント:日本の文化の地域的特色についてみていきましょう。
	
		・日本文化の地域別にみると…
	
		『文化』とは、
	
		文化 = 生活の中で身につけた行動のしかたや価値観、それらによって生み出されたもの
	
		さて、地理的分野を思い出してください。
	
		日本の地域区分を思い出しましょう。中部地方。7つに分かれていること。
	
		中央アルプス。太平洋側と日本海側。そして、東日本と西日本。それに北海道や沖縄。
	
		この辺りまで出てきたら、OKです。
	
		日本の文化は日本アルプス、そうあの3つの山脈、覚えていますか。
	
		ここでいちいち、書きませんよ。思い出してください。
	
		思い出せなかったら…くよくよする前に、調べましょう。
	
		何回も繰り返し、調べているうちに、それが、習慣になるはずです。
	
		忘れたら、調べる。
	
		これ、一番いい勉強方法ですよ。
	
		わからないことを調べることによって身につける。
	
		頭に入れたら忘れちゃいますから…
	
		おっと、ちょっと、話がそれました。さて、日本の地域は7つに分かれていました。
	
		南から…九州地方、中国・四国地方、近畿地方、中部地方、関東地方、東北地方、北海道地方。
	
		大丈夫ですか。どのように地方に分けたかというと、もちろん、行政区分もその一つですが、
	
		文化でも分けていますよね。
	
		そう、この真ん中、中部地方が文化の分かれ目だって、地理的分野のとき学習したと思います。
	
		それでは、どんな地域性があるかというと…
	
		雑煮(ぞうに):具がちがったり、味噌を入れたり入れなかったり…
	
		        おもちが丸かったり、四角だったり。         
	
		うどんのだし汁:色濃かったり、薄かったり。だしもちがいますね。
	
		住居の形状、材質:屋根の傾斜、藁ぶきだったり、L字だったり。
	
		方言:これは、いうまでもないでしょう。イントネーションもちがいますね。
	
		味噌:赤、それとも白みそ?
	
		おにぎり:〇それとも△?
	
		エスカレーターの立ち位置など:
	
		右、それとも、左?ブラジルでは、止まってたら、右ですよ。歩くんだったら、左にいないと文句言われます。
	
		いろんなちがいがありますよね。どうして、ちがいが生まれたのでしょうか。
	
		それには次の3つの要因があげられます。
	
		地理的な要因(気候や風土、地形)
	
		歴史的な要因(いままで、培われたこと、城下町だったのか、港町だったのか、都だったのかなど)
	
		産業的な要因(工業、漁業、商業が栄えたのか、地理的要因も含まれますよね)
	
		たとえば、気候は、屋根の傾斜を変えます。暑い沖縄では、赤がわらを使い
	
		暑さをしのぎます。雪の多いところでは、合掌造りが一般的でした。雪の重さに耐えられるように屋根を急こう配にししていますよね。
	
		よく、屋根から落ちて…なんてニュースも耳にしたことがあると思います。
	
		・琉球文化
	
		琉球文化は、琉球王国(1429~1879年)のとき、培われました。
	
		戦後、アメリカによる統治(1945~1972年)の影響を受け、現在の沖縄があります。
	
		もちろん、歴史や自然を反映した独自の文化が形成され、
	
		言葉、宗教、衣食住、芸能など本州の人々とは、ちょっと違った文化を持っていますよね。
	
		昔は、中継貿易をしていたことにも関係していると思います。
	
		いろんな文化が融合して独自の文化が形成されたところ…それが、琉球(沖縄)です。
	
		・アイヌ文化
	
		北海道、サハリン、千島列島を中心に生きてきた先住民族、アイヌ。
	
		彼らは、迫害の歴史が一番、有名ではないでしょうか。
	
		征夷大将軍。聞いたことがあるでしょう。
	
		桓武天皇が坂上田村麻呂を任命して、東北地方を平定させました。
	
		アテルイ。アイヌの指導者でした。捕えられ、河内で処刑されました。
	
		先住民なのに…。かわいそうですね。
	
		あの『夷』とは、『蝦夷(えみし)』つまり、アイヌの人々を指します。
	
		彼らは、当時の律令国家に反対をしていました。
	
		そこで、国を統治していたのは、朝廷。その長である桓武天皇が命令をして
	
		反発する蝦夷を言うことを聞かせろ―と、東北地方の平定させるための地位が、
	
		征夷大将軍だったのです。まだ、坂上田村麻呂の前にも何人かいますよ。
	
		でも、有名になったのは、彼、足利氏、源頼朝、徳川家でしょうか。
	
		征夷大将軍はのちに『将軍』と呼ばれるようになり、国を治める人のことを指すようになりました。
	
		さてさて、話が、だいぶそれましたが…
	
		アイヌの人々は、身の回りの自然などを『カムイ(神)』としてうやまう
	
		口承文化をたもち、現在も受け継がれています。
	
		ただ…琉球にしろ、アイヌにしろ…『同化政策』により、だいぶ文化が窮地に追い込まれました。
	
		そのことについては、自分自身で調べてみましょう。
	
		どんな歴史があったのか、同化政策とはなんだったのか。目的は?
	
		いろいろ、調べてみてください。
	
		勉強の幅が広がります。
	
		・日本にも外国文化が…
	
		ところで、『外人』っていう言葉は、ブラジル日系社会では、非日系人に対して使われます。
	
		面白いですよね。本当は、日系ブラジル人または、一世と言われる人たちが『外人』なのに…。
	
		というわけで、日本には戦前から住んでいる
	
		在日韓国人・朝鮮人
	
		在日中国人
	
		  +
	
		その子孫
	
		また、デカセギブームが到来しているブラジルですが…1990年ごろが第1期とするば、
	
		現在2015年は、第2期でしょうか。多くの人がまた、日本で稼ぎに行っています。
	
		いま、ブラジルは不景気ですから。かなりの失業率です。
	
		その関係もあって、治安もかなり乱れています。
	
		さて、ブラジル人もたくさん、日本に住むようになりました。
	
		もちろん、他の国の人々もうつり住むようになった日本です。
	
		日本では、最近、英語を話そう!という考え方がでてきていますよね。
	
		ヒットしている歌にもかなり英語まじり。
	
		英語でインタビューを受ける芸能人。
	
		英語がだんだん、日本にも浸透してきています。
	
		みなさんも、英語を一生懸命勉強しているでしょう。
	
		目的はそれぞれであっても、知っていて損にはなりませんよね。
	
		ただ…ちょっと角度を変えてみると、自動翻訳アプリがかなり発達しています。
	
		そのうち、他言語を習得する意味が薄れて…だんだん、自国の国語を大切にする世の中がくると
	
		わたしは考えています。みなさんは、どう、考えますか?
	
		アメリカのある大学の研究によると、コンピュータがほとんどの人間の職種をうばう日がくるのも
	
		そう遠くないと予測しています。
	
		みなさん…どんな職種がコンピュータにとって代わるのか、考えてみるのも楽しいですよ。
	
		工場のなかで働いているロボット…。みてくださいね。人間じゃないですよ。
	
		それでは、また脱線しましたが…話をもどして…
	
		京都市の東九条マダン(広場)という祭り:在日韓国・朝鮮人、日本人、その他の外国人が楽しむ交流の場になっている祭り
	
		静岡県浜松市:サンバフェスティバル(日系ブラジル人が多いですから…)
	
		でも…大切なことは、
	
		異なる文化をたがいに尊重し合い、共生していくこと!
	
		強制したらだめですよ。
	
		ちがいを認めること。
	
		ちがいをちがいと認めて、理解すること。
	
		お互いの文化を尊重し合うことって、とっても難しいことです。
	
		ほら、『同化政策』。
	
		これ、違いを認めていましたか。認めなかったので、『同化』だったのです。
	
		でも、形や姿を変えて、生き続ける『文化』を大切する心を大切に育ててほしいと思います。
	
		住むところが変われば、気候も地形も違います。風土も違います。
	
		だからこそ、日本の文化が形や姿を変えて生き続ける『日系社会』やほかの国の人々の文化を尊重することが大切なのです。
	
		それができないと…
	
		宗教戦争、民族紛争、地域紛争…
	
		絶えないですよね。
	
		つまり、ちがいを認め合うことのむずかしさを知ってほしいって、切に思っています。
	
		それでは、日本文化からだいぶ離れてしまいましたが、
	
		日本文化はなぜ、多様なのでしょうか。
	
		それは、多様な自然や歴史、外国にルーツを持つ人々の文化を反映しているからなのです。
	
		それでは、今回はこの辺でおしまいにしましょう。
